シソンヌコントライブ「une」(赤坂RED/THEATER)

ついに吉本の劇場を飛び出したシソンヌの単独。赤坂という土地、業界人が蘭を送るのに似つかわしい劇場受付、小ぢんまりしたキャパシティ、映像、照明、音響、衣装、全てが瀟洒だ。以前、ブロードキャスト・房野がシソンヌに向かって吐いた「ははあ。ぶってんな、おまえら!」の一言を思い出した。「オシャレぶってる」「スタイリッシュぶってる」の省略形なのか何かはよく分からないが、赤坂で単独を打つシソンヌは「ぶってる」コンビである。
単独は矢継ぎ早にコントが繰り出され、最後はスティーブ・ジョブズが新商品の性具をプレゼンする単独おなじみのコントで終了。最初、完璧かつ全く必要ないじろうの英語力に衝撃を受けたこのコントも、単独で4回連続見せられると食傷気味かも、と思っていたところ、エンディングで長谷川がじろうに向かって、「あのコント、おまえが英語喋りたいだけだろ。オナニーだ、オナニー」と怒り、それをじろうはニヤニヤ受け入れていた。なるほど。今回の単独は、テンポよくコントを連発することで体位をあれこれ変え、女装キャラで律動を早め、最後の「スケーベ・ジョブズ」コントで精を放つ、おもしろオナニーだったのである。赤坂でオナニー。高価な衣装を着てオナニー。暗転をうまく利用してオナニー。そう解釈するとただでさえ面白かった単独が、また一段階上がって面白く思えてくる。Stay hungry、Stay foozoku