ダイナマイト関西(ルミネtheよしもと)

IPPONグランプリ』の台頭によって、しばらくなりを潜めていた「ダイナマイト関西」が久方ぶりに復活。鬱憤がたまった面持ちのバッファロー吾郎A先生は、「よそは知らないですけど、うちはガチですから」のキラー発言を解禁した。こんなに堂々と『笑点』のグレーゾーン(昇太の灰色の着物を指してるわけではない)に言及してもいいのだろうか?
さてこの日、エキシビジョンマッチとして川平慈英萩原流行vs上沼恵美子小倉智昭というスペシャルゲストによる夢のタッグマッチが提供された。しかしひとりだけシルエットがおかしいので目を凝らすと、萩原流行ではなくてセブンbyセブン玉城である。シアターDで2億回は見てきたモノマネなのに、会場中がヒリヒリした空気に包まれる「ダイナマイト関西」に出るとは想像していなかったので気がつかなかった。川平(博多華丸)や上沼(友近)がモノマネに即した豊富なボキャブラリーを撒き散らして銃撃戦を展開する中、玉城の持ってるワードは「言えよ!」「西荻」(流行の居住地)のみ。その姿はステルス軍用機が飛び交う近代戦争の中、木刀を二本振り回す侍のようだった。
さらに対戦中、解説実況席のバッファロー吾郎からおそろしい情報がもたらされる。
「玉城くん、リハーサルでは大きい包丁持ってすしざんまいの社長のモノマネやってたんですけどねえ。本番になったらまさかの萩原さんでした」
なんだろう、この誤った力の入れ方は。でもよく考えたら、すしざんまいの社長で大喜利に挑んでいたら使えるワードは「すいざんまい!」だけだ。舞台に目を向けると、玉城は「言えよ!」攻勢を引っ込めることなく、「言えよ!」にバックステップやサイドステップをくわえることで起死回生を図っていた。さらに実況解説から追い討ちをかけるように「玉城くんは新ネタにジェームス三木があるそうです」という新情報が追加された時、私はアナフィラキシーショックを起こしそうになった。
そしてエンディング。玉城がどんな格好で登場するのか、その一点に私は胸を躍らせていた。しかし出演した芸人が全員並んでも、玉城がいないのである。これは後で登場するものと確信して舞台袖に熱い視線を注いでいたが、最後まで大勝軒山岸一雄もMrインクレダブルもついに現れることはなかった。きっと楽屋の反省房にでもぶちこまれたのだろう。残念に思って玉城のツイッターを見たら、どうも次の用事があって恵比寿に向かった様子だ。それよりもそこのプロフィールに書かれた「キングダム 王翦です! タマッシュ!」が気になって仕方ない。『キングダム』は少ししか読んでないからよく分からないけれど、玉城が河了貂のコスプレをして恵比寿へと飛び立つ姿、およびシアターDの舞台に立つ姿だけは容易に想像できる。