天竺鼠単独ライブ「大阪のことを愛してますライブ in Tokyo」(ルミネtheよしもと)

ブリッジVTRを見上げる時間が長くて首が疲れた、という印象でライブが終わりかけた時、そのVTR映像に東野幸治が現れた。「キングオブコント」で放送された天竺鼠応援コメントである。「フレー、フレー、天竺鼠〜」と空洞の瞳&情動の一切感じられない声質でエールを送る東野が何度もループされ、そこに音楽がかぶさる中、天竺鼠は「キングオブコント」で披露した寿司ネタをそのまんまこなすのだった。芸人なら誰もが恐れる東野の無意識の悪意をも破壊してしまう川原。ときめくほど狂ってる。この事実をライト東野が知ったらTVカメラに向かって「みなさーん! お笑いは終わりましたよー!」と絶叫することだろう。
その直後のエンディングでは、寿司ネタのイクラとして使った赤いカラーボールを客席に投げ入れるサービスタイムに。ネタはもちろん平場のトーク、インタビュー、SNS、全ての時空でボケ続ける川原がこの数分だけは野球部あがりの強肩をふるって、「川原さ〜ん」「瀬下さ〜ん」と黄色い声をあげるファンに向かって、せっせとボールを放るのだった。確か前回の単独でも同じ行為をした記憶があるのだが、あれは「いつも狂ってる僕がボールを本気で投げてます」というボケなのだろうか? それともカラーボールにおもしろいことが書いてあるボケ(「筋子」、和牛・川西のケータイ番号、写経など)なのだろうか? カラーボールに見せかけて本当は巨大なイクラを投げているのだろうか? それとも客席でバットを構えて待っていたら、頭めがけて硬球を投げ込んでくるボケなのだろうか? どれが真実なのかは分からない。ただ川原がボケを止めた時、世界の均衡が崩れる予感がするので、次回の単独はバット持参で向かおうと思った。