漫才サミット(ルミネtheよしもと)

中川家・礼二が発起人となり、「面白い」と認めるナイツ、サンドウィッチマンを招集した腕利きばかりの漫才ライブ。ゲストに招かれたのになぜかトリを任された大阪若手のギャロップの「師匠に弟子入りを請う」漫才がとても面白く、看板の3組に期待して来たしっとりした年齢層の客も、おそらくツッコミ・毛利の素性を知らないまま満足して帰っていったことだろう。
さて何より最高に見ごたえがあったのが3組によるフリートークで、浅草の重力から解放されたナイツ・塙が師匠の素敵な話をぶちまけると、それに呼応して中川家・礼二も不在の後輩へ心温まる助言を乱発。見るにみかねたサンドウィッチマン・伊達が「本当それまずいからやめとけって」(「モウイイゼ」の同義語)」と時々止めていなかったら、あの船は滝まっしぐらに進んでいたに違いない、と思わせる獰猛さだった。特に礼二は何かキメたのではないかと思うぐらい瞳孔がギンギンに開いていき、菊地成孔なら「こないだ新宿で見かけたんだけど、あの人ヤッヴァい」と形容するレベルに。そしてエンディングでは突然事件性の高い単語を発して客をドム引きさせ、その瞬間トリップが収まったのか黒目が正常の形に戻ったのはよかったものの、横にいた兄の剛がものすごく静かに、しかしものすごく激しく怒っていた。つまり漫才サミットは、薬物に頼らず礼二の脳内を開放する素晴らしいイベントなのである。
ちなみにフリートークで話題に出た芸人はこんな感じ。パンクブーブー、NON-STYLE、キングコングU字工事三遊亭小遊三あさひのぼる(ギター漫談でおなじみ)、ぶるうたす(筋肉漫談でおなじみ)、一矢(相撲漫談でおなじみ)、チャンス青木(おなじみ)、アボガドランドリー(サンドウィッチマンの後輩)