2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

本調子やなぎやの会〜柳家の若い衆〜(池袋演芸場)

人気落語家を集めた池袋演芸場の余一会は平日の昼なのに大盛況。柳亭市馬の「堪忍袋」、柳家三三の「花見の仇討」が面白くてそりゃ人入るわと素直に思った。トリは柳家喬太郎の「宮戸川」。恥らう若い男女がじれったさの果てに結局結ばれる展開は日本マンガ…

Domani落語特集「通勤服でも使える羽織」

雑誌「一個人」の落語特集で柳家権太楼師匠にインタビューしたり、「平成寄席の爆笑王」「古典落語の名手」原稿をまとめたりいろいろ書いてます。『笑芸人』の落語特集ほど偏らず、『BRUTUS』ほど不鮮明でなく、『東京かわら版』ほど細長くなく、カタログと…

『お笑いメリーゴーランド』『爆笑ジェットコースター』『おもしろ射的場』

録画したTBSの『お笑いメリーゴーランド』を再生すると、尺の短いネタや審査員の無責任な加点法など、『爆笑レッドカーペット』に酷似した映像が目に飛び込んできて、「パクリ」「真似」ではなく「偽造」という言葉が頭をよぎる。2時間の番組を早送りで15分…

松元ヒロ ソロライブvol.15(R`s アートコート)

「元ザ・ニュースペーパーの松元ヒロが」「放送できないアナーキーなネタを」「社会運動家が混じる客層の前で披露」と断片的な情報を拾ったので実際に行ってみると、元コント笑パーティーの松元ヒロが昭和テイストあふれるパントマイムを社会運動家が混じる…

鬼ヶ島ネタライブ「学生気分」(シアターミラクル)

面白いのか面白くないのかよく分からないけれど得体の知れないことは確かな鬼ヶ島が、半年前にメンバーチェンジを果たし、元・CUBEの和田という真っ当なツッコミが加入。これでようやくトリオの輪郭がつかめるかと単独ライブへ向かうと、ネタは相変わらずデ…

九雀亭(亀戸文化センター・六階和室)

開演15分前に家を出ても間に合い、畳の上で足を伸ばせるお気に入りの落語会へ。番組は「御公家女房」と「三十石」。だらだらしたロードムービー的展開の「三十石」の終盤は川下りする舟上に舞台が移り、鳴り物が入ったりでなんとも長閑な空気なのだが、座布…

ダイノジの新ネタ カレーライス寄席(中目黒ウッディシアター)

ダイノジ・大谷氏が鼻息荒く「漫才の枠を壊す奴を集める!」と立ち上げた新ライブ。「日本語で一番美しい言葉だから」というほっこりする理由でグループ名をつけた割りに実にあざといコントをするありがとうや、客から長くて低い笑いを引き出すナイツなど、…

フルーツ大統領選挙

仕事で向かった幕張メッセの食品展示会『FOODEX』。商社のブースでパパイヤに似た果物を試食をしたら、なんとその名前がカリカだった。 手元のパンフレットに添えられてる言葉が「チリの広大な果樹園で、清らかな水と大地、降り注ぐ太陽の恵みを享受しながら…

せめ達磨アパッチvol.13(なかの芸能小劇場)

若手の新作落語会へ赴くと、トリで登場した春風亭栄助は『北斗の拳』のケンシロウが按摩として働く落語を披露。そのマンガキャラを別の職業に据える発想はなかの芸能小劇場というより若手芸人が蛸集する中野studio twlに似合う設定であり、80年代「週刊少年…

上野鈴本演芸場3月上席・夜の部(上野鈴本演芸場)

柳家喬太郎がタコ踊りをしながら高座を下りていった。 演芸専門誌「東京かわら版」の出演者情報を見ていたら、売れっ子の喬太郎は3月1日から10日にかけてなんと3つの寄席(そのうちひとつは主任)を掛け持ちして、最低でも1日3高座をこなすことに気づく。そ…

ジャルってんじゃねえよ(ルミネ the よしもと)

完全無欠すぎて何も語るべきことが見つからないライブ。ジャルジャルのコントを見てる時の胸の高揚感は「笑った」「面白い」「シュール」では説明できない、他の何にも似ていない感情である。まいった。打ちひしがれた。 そういえば会場には糸井重里萬流コピ…

中川家の寄席(新宿末広亭)

ほぼ毎回通っている中川家の定例ライブ。当日発表されるゲストはなんとサンドウィッチマンだった。らしい。らしいというのは要人との酒宴が入ったため、チケットを猥婦にあげたから。猥婦の好きな芸人は「首が太くてカッコいい」という理由で、天竺鼠・瀬下…

バカリズム単独ライブ「科学の進歩」

言葉のセンスというスコップ一本で金脈を掘り当てるバカリズムの単独は、とんでもない奇岩地帯に連れて行かれるのかと思ったら、普通の鉱山に招かれた印象。もちろん石だけではなくて、幕間の科学ポエムや、ひとつのフレーズを積んでは壊すような「WARUYONO…

第50回トンデモ落語の会(浅草木馬亭)

文字通りに古色蒼然とした浅草木馬亭と、ダークな感性の噺家と、落語おたくではない純正のオタク中心の客層が、長三和音のように重なり合うトンデモ落語の会。立川談笑のおろした新作は、落語史、いや、ラストシーンの印象度においてはあらゆる物語の中でも…