2008-01-01から1年間の記事一覧
年末である。読みたい本は山積みだし、撞きたい鐘も、年越したい蕎麦もたくさんある。そんな忙しい最中、TBSテレビで放送していた『お笑いDynamite!』を見ているヒマなんてないのである。2日にわたって108組の芸人が参加し、放送時間は計4時間半。とはい…
M-1グランプリの中道路線が食い足りなかった私は、極右(浅草)か極左(カルト芸人)のライブが見たくなって、左に振り切れた「苦肉祭」へ。中野の民家でピン芸人が狂乱の密室芸をぶちまけるこのイベント、噂だけでお腹いっぱいになっていたが、会場が変わっ…
お笑いには、全世代が理解できる、技術が安定している、安心して見ていられることに重きを置いた『オンエアバトル』もしくはNHK的世界観の「右」が存在し、それに対抗すべく、発想至上主義で、荒削りも受け入れ、一部のお笑い見巧者の心に突き刺さればいい「…
演目は「天災」「芝浜」。酒から足を洗う魚屋を描いた「芝浜」に対し、シャブを体から抜くトラック運転手の物語「シャブ浜」を得意にしていた談笑が、年末を意識して古典の「芝浜」を。つまり見た目は「芝浜」だけど中身は「芝浜改シャブ浜改芝浜」なのであ…
「60組近い芸人の中から誰が抜けるんだろう?」の興味というより、「オードリーよりウケる芸人はいるのだろうか?」の疑問を確かめに、強風吹きすさぶ大井競馬場へ。無名からかなりの笑いをさらったマヂカルラブリー、ハライチの増収増益ぶりや、全神経と全…
今年5月にシアターDで行われて、早くも三等星になった伝説のイベント「RGvsハブ〜ジャッジ熊谷〜」が、東京NSCの合宿先という、お笑いファンと神様の預かり知らないところでいつのまにか復活。辺り一面草が茂る高地で行われたノーピープル&エニウェア&凶器…
先日「中川家の寄席」で聞いた中川家とナイツの浅草トークがあまりに素晴らしかったものだから、鼓膜の奥でずっとリピートしている虫の羽音を「浅草が俺を呼んでいる!」と好意的に解釈し、浅草へ。目当てはもちろん、愛うえお師匠からぶるうたす師匠まで、…
今発売している『weeklyぴあ』の2008年振り返り特集で、気がついたらいろいろ書いてます。エド・はるみインタビューや、今年の50人総括や、南海キャンディーズ・山ちゃんによるアイドル10傑など。山ちゃんは取材中、延々と面白いことしか喋らず、しかも内容…
ゲストは何となく予想していたナイツ。数日後のM-1決勝を十分に意識した漫才の披露後は、M-1初代王者・中川家と濃密なM-1トークに突入。と思いきや30秒で話は終わり、「最近、浅草東洋館を覗きに行った」と中川家が興味を示したのをきっかけに、話題は会場が…
ゲストに柳家喬太郎を迎えた真打披露興行。喬太郎の新作落語「純情日記〜中山編」は展開や描線が劇画の印象なのに、バッテリーの心理戦を延々と描く百栄の「劇空間プロ野球」はもはやギャグマンガの域に。「すすめパイレーツ」に全く同じ話があっても私は驚…
●『Quick Japan』で内村光良ロングインタビュー、スチャダラパー・BOSE×バカリズム対談、フォーリンラブの原稿をまとめてます。また現在のお笑いブームの中心地的存在「D-1(だじゃれグランプリ)」を称えるコラムも。なお私が『Quick Japan』で真っ先に読む…
五反田団のHPによれば、「福島県いわき市にある高校の生徒さん、先生がたと今年の夏に一本の芝居を作りました。それが凄く面白かったので東京でもやれないかと画策し上演にこぎつけました」という演劇。内容は「福島県のとある町に怪物がやってくるのだが…
シアターDで定期開催されているライブ「漫才米騒動」のメンバーが、中野区・町田系芸人が文京区に根を張る興行「漫才バカ一代」に乗り込む話を耳にしたのは数ヶ月前のこと。その情報に新日本vsUWFインター以来の団体抗争勃発か! と興奮した私は早々とチケ…
劇場の規模、公演時間がスリムだった今回のキュートンは、出演者も増谷キートン、くまだまさし、椿鬼奴、アホマイルド、しんじのオリジナルメンバーのみ。いつもはニューフェイスが参加することで吉本のアンダーグラウンド部分が継承されていく意義のような…
原則、新作をネタおろしする会だったはずなのに、川柳川柳が寄席で8万回はかけているであろう一子非相伝のネタ「ガーコン」を披露し、新作落語界の足立区代表・三遊亭円丈まで、なぜか古典落語「はてなの茶碗」に挑む、ある意味無限を感じさせる興行に。 疲…
いきなり700人収容の会場になったため、ようやく初めて見に行けた「東京シュール5」。POISON GIRL BANDのM-1激励にかこつけて、カリカが作家性ぷんぷんただようネタを下ろしたり、因縁ある変ホ長調がサプライズ登場したり、ほんのり暴れてすぐ帰されたコン…
「黒歴史から足を洗って、志の輔を目指す」と立川談笑がトンデモ落語からの引退を表明したため、”談笑脱北記念”と銘打たれた興行は、張本人がまさかのドタキャン。会場が失望しているところに現れたのは、ボビーなる黒人コメディアンだった。レニー・ブルー…
perfumeが何に似ているのかずっと考えていて、ようやくそれが「さよなら人類」を歌っている頃のたまであることに気づいた。別に音楽性云々ではない。世間の圧倒的好意と全肯定ぶり。語ること=勝ち馬に乗るような空気。3年後の無関心。5年後の忘却。もちろん…
1時間のほどよいイベントは、MCのダイノジを筆頭に勢いのある若手が集まって、当たりの日の「5じ6じ」のような印象。囲碁将棋の『それが大事』を題材にした漫才では、他の若手では笑っていなかった数人の男性客が笑って背中を揺らす姿が見えて、これまた…
中川家のトークライブへ。ゲストのキャン×キャンはトーク能力の高さもさることながら、出てくる話が「沖縄の都市伝説」「ホームチーム・与座の家を襲った米兵」「ゴキブリの飛び方」「薄毛」「金」など、いちいち黒い内容で好感が持てた。
長い時間かけて執筆・構成した『池田清彦の「生物学」ハテナ講座』(三五館)が発売しました。出版社のwebにも帯にも触れられていないけど、全編、先生と生徒の掛け合いで講義が進行する座談型の生物学入門書です。生物多様性、遺伝子、性、免疫、病気、人類…
昨年同様、年末に行われた漫才ライブは、約半分が急遽こさえた時事ネタという、特にM-1用チューンナップ用でもない不思議な単独。最後「年末になると必ずやるネタ」「立川談志の「芝浜」みたいなもんです」と説明して始めた「肉まん」は、10年以上見てるけど…
50分ほどの長さのため「コントと演劇の中間」と銘打たれた公演は、社会人駅伝が題材のロングコント。面白かった。作演のふじき君は古い知り合いで心底頑張ってほしいので、成功するまで私は賞賛しかしない。確実に才能あるんだから「演劇とコントの中間」な…
ジョギングコースの川沿いに立つ区民ホールで、「D-1」なるだじゃれ大会が催されるというので当然行ってみた。閑古鳥が絶叫していることを予想していた会場には、観客300人弱と取材目的のテレビ局5局が押し寄せ、まさかの大盛況。ここで何が行われるかとい…
第1回したまちコメディ映画祭の中で行われたイベントは、各種バカ映画のくだらない映像が流れるのかと思いきや、みうらじゅんがひたすら映画のパンフレットを大放出するスライドショー的内容に。バカ映画のパンフレットを集めたというより、バカなパンフレッ…
村越周司とハリウッドザコシショウが、お互いの単独を合体させたグラインドハウスライブを開催するという噂を聞いたのは半年以上も前だったと思う。その日を心待ちにして、私は早々と前売り券(最前列)を購入。さらに諸事情でライブへの道が閉ざされないよ…
前回から3ヶ月ぶりという短いスパンで行われたダイアンの東京単独。充実の内容だった前回よりも公演時間が短く、ネタも同じものを再利用するなど、まるでアルバムの後に出した収録曲入りマキシシングルのよう。そんなの売れるのか。 幕間映像では、ダイアン…
演目は「子ほめ」「佐々木裁き」「皿屋敷」。ゲストの柳家小権太は地元・亀戸出身にかかわらず、上方落語の会のため、まさかのアウェイ感にまみれていた。その経歴に親近感を抱いたので調べてみると、私とほぼ同年代で「好きな音楽はフリッパーズギターやサ…
オアシズ・大久保、THE GEESE・尾関、どきどきキャンプ・佐藤など、珍しい顔ぶれで何か起きそうな期待が高まる即興コントライブ。縛りは観客から設定、フレーズ、オチを募ってコントに織り交ぜることで、結果、ハードルを高く上げすぎたため、ライブ中に演者…