2008-02-01から1ヶ月間の記事一覧

池袋演芸場2月下席・昼の部(池袋演芸場)

某師匠の取材で寄席へ。容姿もテンションも塗炭を連想させる柳家喜多八による「小言念仏」が、まるでこの人のために書き下ろされたのかと錯覚してしまうほどの相性。私には才能あふれる音楽の語り部たちが好んで使う「フォーキー」「アーシー」の表現はいま…

フキコシ・ソロ・アクト・ライブ「タイトル未定」(本多劇場)

現在の演芸界において、3の倍数に着目した世界のナベアツよりも、因数分解をネタにする大輪教授よりも、数学的美しさを感じさせる吹越満の単独公演。鏡と光の軌道を利用したオープニングは2次曲線の演算、汚れた部屋のアニメに合わせて踊ったバレエは立方体…

立川談笑月例独演会(お江戸日本橋亭)

「初天神」「火焔太鼓」「居残り佐平次」の演目が終わった後、「最近、落語をかき回してる実感がある」「僕という落語家がいて落語界は良かったですよね」と押尾学ばりに漏らした自画自賛が戯言に聞こえないほど、高座は充実。また来月も来ようと思わせたが…

林家彦いち「喋り倒し」(本多劇場)

スナップ写真を並べてだらだらと旅の思い出を語り、想像力をほとんど刺激しなかった後半のシルクロード話は眠たい内容。対して前半の蘇民祭に参加したドキュメントトークは、同じライブかと疑うぐらい秀逸だった。 岩手県の水沢で行われる蘇民祭は、夜通し白…

若手the登竜門〜大喜利の陣〜東京大喜利倶楽部(ルミネtheよしもと)

カリカ、ハリセンボン・箕輪、増谷キートンなど、東京吉本若手の大喜利巧者が揃ったライブは、とにかくもう中学生の底の抜けた自由な回答に会場中が驚愕。笑いのルールを無視したカオスな発想は、関西の大喜利シーンで気を吐く野性爆弾・ロッシーのものと表…

九雀亭(亀戸文化センター・六階和室)

桂九雀「貧乏花見」「花筏」など。初めて聞いた「花筏」は、病を患った大関の代理で巡業に出た素人がイカサマで乗り切ろうとすったもんだする愉快なお噺。おそらく力士の品格・八百長問題を紛糾しようとする「週刊現代」編集部原作の新作落語なのだろう。も…

AGE AGE LIVE(渋谷ヨシモト∞ホール)

恥ずかしながら今頃になって初めてAGE AGE LIVEに。チョコレートプラネットの古代ローマコントは、片方の発声が異常にいいのを含めて破壊的なバカバカしさ。短いネタが猖獗を極める現代のお笑い番組に拾われてすぐ報われそうなことを除けばなんとも好みだっ…

漫才米騒動(シアターD)

好みの漫才師が揃ったのでシアターDへ。インドの高官にしか見えない春日がイギリスを睨みつけるような視線でボケを無作為投下していくオードリーと、寄席で一切脂物を取らなかったのが原因で老成したようなナイツの二組が、ふんだんにギャグを入れるスタイ…

SWA「ブレンド・ストーリー2」(本多劇場)

平日昼公演でチケットに余裕があったため、初めてSWAに足を運ぶ。「廃校になる小学校」をモチーフに4人の噺家が微妙に世界のリンクした落語を作る構成で、オープニングのフリートークがもっとも面白かった。と当たり障りのない感想を抱いていたところ、夜…

赤のブツとやけにすれすれの民事

TBSラジオ『ウイークエンドシャッフル』で岡村靖幸特集を放送していた。ライムスター・宇多丸の口から岡村ちゃん遺伝子を受け継いでいる者として名前があがったのは、Mr・Childrenの桜井、桜塚やっくん、ムーンチャイルド・佐々木など。この他に補足する…

目立ちたがり屋が東京でライブ〜2008年節分〜(ロフトプラスワン)

昨夏からアングラ芸人好きが名前を挙げるようになったピン芸人・永野の単独に追随して乗り込む。ネット配信の映像で予習はしていたものの、「田原俊彦の曲をかけながら聖書を熟読」「吉幾三に棄てられた女がコマ劇場に卵をぶつけにいく様子」「100人のレズと…

世界のナベアツ 日本公演(ルミネtheよしもと)

ジャリズム解散前のように若くてフレッシュな狂気は影をひそめたものの、作家としての活躍や中年の円熟をヒリヒリ感じさせる、渡辺鐘ならではのひとつの事象を限界まで行き詰める頭のおかしい笑いが充実。字の造形ごとに読み方が変わる「正しい読み方」や、…