目立ちたがり屋が東京でライブ〜2008年節分〜(ロフトプラスワン)

昨夏からアングラ芸人好きが名前を挙げるようになったピン芸人・永野の単独に追随して乗り込む。ネット配信の映像で予習はしていたものの、「田原俊彦の曲をかけながら聖書を熟読」「吉幾三に棄てられた女がコマ劇場に卵をぶつけにいく様子」「100人のレズと「オッス」の掛け声をする人」など、入口も出口も分からないけれどただ火柱が上がっていることだけは確かなネタを次々と開陳されると、数々の辺境芸人を見てきた私もさすがに唖然。正直、一度見ただけではあの面白さを伝える言葉が見つからない。ただ地球の言葉を理解しない異星人が遠い宇宙からやって来た時、一番笑える人間の標本として舞台上の永野をピックアップするか、危険物体として真っ先に光線で殺戮するか、ふたつにひとつしかないと思った。
なおこの日のハイライトは、最前列に陣取った若手無名芸人との茶番で、若手が松岡英明の曲調で「♪I love hip hop」と合唱すると、それをバックトラックに永野が「エンドレス・レイン」「スシ食いねえ」「嫁に来ないか」を延々と熱唱。あまりの暴挙にそれまで何をやっても爆笑していた客までトーンダウンしたのには心底シビれた。異星人に見つかる前に、常識人から迫害を受ける可能性がきわめて高いことだけは確かです。