林家彦いち「喋り倒し」(本多劇場)

スナップ写真を並べてだらだらと旅の思い出を語り、想像力をほとんど刺激しなかった後半のシルクロード話は眠たい内容。対して前半の蘇民祭に参加したドキュメントトークは、同じライブかと疑うぐらい秀逸だった。
岩手県の水沢で行われる蘇民祭は、夜通し白褌一枚の男たちが雪の中を練り歩いたり蘇民袋を奪い合う日本三大奇祭のひとつ(残りはZERO1-MAXの火祭りと山崎春のパン祭り)。奇しくも数日前、本多劇場からそう遠くない地で蘇民祭が開催されたのも追い風になり、スパパパと服を脱いだ彦いちは褌一枚になって体験談を熱弁する。ピンスポットがその姿を照らすだけで十分バカバカしくて面白かったが、極真空手経験者だけあってそれなりに締まった肉体を眺めていると、「そういえば師匠が木久蔵師匠だったな」「この会のプロデューサーって春風亭昇太だっけ」と全く何ひとつ関係ない雑念が次々と頭をよぎるのだった。あと配られたチラシにはWAHAHA本舗関係が多かったので、褌一枚の男意気が喰始からスカウトされる可能性だって少なくはあるまい。何言ってるんですか、声をかけられるのはもちろん第三の平成モンド兄弟としてですよ!