東京ダイナマイト漫才単独ライブ「さらば愛しき危険たちよ」(シアターモリエール)

昨年同様、年末に行われた漫才ライブは、約半分が急遽こさえた時事ネタという、特にM-1用チューンナップ用でもない不思議な単独。最後「年末になると必ずやるネタ」「立川談志の「芝浜」みたいなもんです」と説明して始めた「肉まん」は、10年以上見てるけど最新の部品で整備されていていまだに面白かった。もう古典として開放すればいいんじゃないか。少なくともサンドウィッチマンはすぐコピーできるだろう。
そして50年後。演芸評論家が「ハチミツ二郎(三代目)の肉まんを割る所作からは、まるで皮の中から煙が立ち上がるように見えた。江戸前の端整な芸にうなる。一方、相方の曽根卍(十九代目)も理不尽な要求をする客の役を、憎めないおかしみを湛えながら見事に演じきった。伝統芸能である漫才の息吹が、そこにあった」と賞賛するようになる。絶対その時代に生まれたくねえ。