漫才バカ一代 第27幕(文京シビックホール 小ホール)

シアターDで定期開催されているライブ「漫才米騒動」のメンバーが、中野区・町田系芸人が文京区に根を張る興行「漫才バカ一代」に乗り込む話を耳にしたのは数ヶ月前のこと。その情報に新日本vsUWFインター以来の団体抗争勃発か! と興奮した私は早々とチケットを入手。そして当日会場に向かうと、敵地に乗り込んだのはナイツ、エルシャラカーニの2組だけという、まるでWARに新日から飯塚と野上が参戦したような賑々しい展開に思わずのけぞった。
さてライブはM-1決勝に駒を進めたナイツとU字工事が大ウケ。というのは想像の範疇であって、驚いたのはエルシャラカーニのネタ「コンビニで万引き」が2組に次ぐ笑いを取っていたのである。「漫才米騒動」を発起したはいいが、後輩のナイツが売れオードリーが売れマシンガンズまで台頭し、挙句の果てにヴィンテージは『レッドカーペット』に出るわラヴドライブはドンキホーテのアルバイトがはかどるわと、身の不遇を一手に引き受けていたエルシャラカーニ。それが突然M-1準決勝に進出し、この日は堂々のウケ具合である。どうしたんだこの冬季講習限定型昇り調子は。
くしくも「漫才バカ一代」は”ゲストに出るとM-1決勝に行ける”というジンクスが存在するご多幸ライブ。そこで宣言しよう! なんせ私は2年前の『ぴあ』M-1特集連載・ダークホース芸人の回で、インタビューに選んだ芸人5組中3組がNON STYLE、ザ・パンチ、U字工事だったというお笑い矯正視力10・0の目利きだ!(残りの2組がポテト少年団とDr・ハインリッヒだったことはうやむやにしていただきたい) 今年の敗者復活戦で上がってくるのは、突然訪れた好調、長い不遇をかき消す感動的なストーリー・・・複合的に見てオードリーしかいないと! 敗者復活戦を行う大井競馬場は思いのほか寒いので、エルシャラカーニのボケ・しろうは赤いタンクトップの上に何か一枚羽織った方がよいと思います。