『お笑いPRIDE』は四点ポジションからの下ネタ禁止

年末である。読みたい本は山積みだし、撞きたい鐘も、年越したい蕎麦もたくさんある。そんな忙しい最中、TBSテレビで放送していた『お笑いDynamite!』を見ているヒマなんてないのである。2日にわたって108組の芸人が参加し、放送時間は計4時間半。とはいえミラクルひかるやGO!皆川など、次にいつ見れるか分からない私好みの芸人も混じっている以上、目を通さないわけにはいかない。牛丼の特盛を流し込むような重圧感で録画したHDを起動させると、芸人を紹介する数秒のアオリ映像が目に飛び込んできた。
「おとぼけシンガソングライター・エハラマサヒロ
「住所不定の賑やか族・我が家」
おとぼけ・・・。賑やか族・・・。実家から送られてきた「CO-OPグルメスパイス」程度のスパイシーな表現に、いきなり胸騒ぎを覚える。以降、芸人のキャッチフレーズを注視していたら、これが素晴らしかった。コストが低いという理由だけで発注した下請けの商品を、検品せずにそのまま市場に流してしまったような大量工業生産。気がつくと私はネタは早送りで飛ばして、キャッチフレーズとMCの感想だけを確認していた。あの珠玉のフレーズがこのまま消えていくのも惜しいので、傑作をここに記しておきたい。もしかするとお笑いブームは「キャッチフレーズが枯渇した」という理由で終焉を迎えるのかもしれない。
「開けてびっくり笑い箱・ホームチーム
「ボケとつっこみ雨あられパンクブーブー
「お笑いスナイパー・TIM」
「お馬鹿に一人コント・バカリズム
「低音ボイス&ホームレス芸人・麒麟
「インテリ&筋肉バカ・品川庄司
「今日は電気屋コント・ななめ45°
「今日は黒豆ヤッホー・モエヤン
ごはんですよ!・三拍子」(その日のネタを忠実に説明しているだけ)
「現代が生んだ自由奔放スタイル・平成ノブシコブシ
「笑いの一卵性双生児・ザ・たっち」
「3,2,1、ドカーン!・ハマカーン
「あっち、こっち、そっち・ロッチ」