ダイノジの新ネタ カレーライス寄席(中目黒ウッディシアター)

ダイノジ・大谷氏が鼻息荒く「漫才の枠を壊す奴を集める!」と立ち上げた新ライブ。「日本語で一番美しい言葉だから」というほっこりする理由でグループ名をつけた割りに実にあざといコントをするありがとうや、客から長くて低い笑いを引き出すナイツなど、ネタはなかなかに充実していた。
しかし終わってみれば心に深く刻まれたのはネタよりもコーナーで、実話誌から得たゴシップを栄養分にしながら後輩芸人に胡乱なアドバイスを連発する、絶対に一円も渡したくないプロデューサーの顔を見せた大谷氏の胡散臭さと、おだてられて大喜利の司会を担当したまではよかったが、2秒先のことを想定しない仕切りで20分あまりの間に舞台上で数百回は瞬死していた大地氏の上気具合がとにかく強烈。美味しいカレーライスがあると呼ばれて行ったら、皿の半分が福神漬だったぐらいにスパイシーだった。これで次回のスペシャルゲストはリビングレジェンド・村上ショージだというのだから、また行かねば。もうカレーライスどころかカレー皿すら存在しないかもしれない。