バカ爆走!(ミニホール新宿Fu-)

M-1以後、確実にお笑いシーンの風景は変わった。特に東京ではコントに走りがちだった地盤が一変して、漫才体質に改善しようとする若手が急増したのである。
しかし人力舎のライブは出てくる若手出てくる若手、ひたすらコント。それもこぞってコンビともども椅子に座って、会話劇に終始する小さなスケールのやつ。このライブからアンタッチャブルおぎやはぎも育ったことは理解しているのだが、世間の漫才という風に晒されず小品のコントを完成させようとする姿勢に、なぜか“共産圏”という単語が脳裏をよぎる。
その中でも際立っていたのは、ボケが古い芸人のよもやま話口調を貫いて漫才するオレンジジュース。技術はふにゃふにゃだけれど、頭の中にとんでもない爆弾を抱えていそうな気配が。やる気を感じさせない“オレンジジュース”のコンビ名も品川庄司がボツにした芸名としてよくネタにあげる名前だし、そのなめた雰囲気は好感度中ぐらいだ。大体、くりーむしちゅーが売れたのは例外としても、液体系の芸名が売れることはまずないというのに。そう考えながら手元のチラシを眺めていると、人力舎の若手にコンビ名「ドリンク」を発見する。