世界キワモノ演芸2006(ロフトプラスワン)

長期的に追っかけているこのイベント。しかし最近は神が「危険だから近づくな」とばかりに私に所用を押しつけ、前回、前々回は観覧を逃し、今回も見れたのは1回戦のみ。そんな私にライブを語る資格などあるのだろうか? と一晩かけて悶々とするが、人肉入りカレーを一口食べるのも完食するのも印象は同じ。ということでどの面下げて書きます。
久しぶりに見るとルール(汚物系はNG・チムコの出し過ぎは不可など)が明確になり、参加者のビジョン(でもやっぱり下ネタは大事)も統一されてきたことで、メリハリの効いたイベントになった印象。まるで檻の中で危険な殺し合いをしていたバーリトュードが総合格闘技へと変貌を遂げたかのようだが、なぜか審査員はマスト方式だった3名から割り切れない4名へ。どこかのネジを締めれば、どこかのボルトがなくなっている。
とはいえイベントが整備されると、いち早く骨子を汲んだ勘のいい新人が露出してくるもので、会場の空気を読みきったオタクのモノマネで喝采を浴びていたのが天津・向。1回戦は肉布団界のアダムとイブ・大好物と好勝負を演じたかと思えば、霊長類の末端を感じさせるデブメガネの3ショットに「この3人で実写版『タッチ』を撮りたいですね」とbaseで鍛えた切り返しの強さも見せていた。末恐ろしい男だ。
それに対して関東勢が送り込んだ驚異の新人がオリエンタルテレビである。余命いくばくもないと思われる壮年2人がうろ覚えも甚だしい武勇伝ネタ(達成率0・06%)を披露し、その正体は全くもって不明。本当に誰だったのだろうあれは。私が中座しようと会場から出ると、オリエンタルテレビがエレベーターで地上へ上がるところだった。両者の全身が小刻みに震えていたのは、舞台で体力を出しきったせいか、それとも防空壕のトラウマが蘇ったせいだろうか。末期に脅えているという意味では、末恐ろしい男だ。