東京ほとんど大阪(ミニシアター新宿Fu-)

なぜか事務所横断で大阪の若手芸人が東京に自費で乗り込んできて、関東人のご機嫌をうかがうライブの昼版。
もう普通の漫才をやっていては大阪では生き残れないのか、カットボール的変化球で詰まらせるタイプの技巧派が多い。とりわけ、さかなDVDの「おっぱいの「お」を「い」に変えて」という漫才が快作だった。策を練ったり工夫を凝らしてポスト漫才に行き着いたのではなく、悪ふざけして握ったフォークボールが直角に落ちたようなキレ味。松竹若手の漫才でこんなに笑ったのは初めてかもしれない。あとななまがりの濁った空気を発散させるコントも気になる。
そんな中、MCを務めた流れ星は漫才がアドリブが根こそぎ笑いにつながる充実期に。しかしその充実ぶりよりも、ちゅうえいが何の需要もないのに告白した現住所が私の旧ジョギングコースで、普段思い切り通過していた事実に驚く。どうりで神田川の永福橋付近を過ぎる時、歯をカチカチさせた『剣の舞』の演奏(歯スタネット)が聞こえると思った。