世界キワモノ集会VIP(駅前劇場)

冒頭から「クジを引いて当たった者は12組の全ネタ間に11のブリッジを発表」という芸人人生を射抜くロシアンルーレット企画が催され、見事心臓に命中したのがRG。忘れ物を取りに開店前のバイト先に顔を出したら、絶対逆らえない店長から「今日おまえ通しな」と命令されたような理不尽&衝撃だ。RGはそのまま辞職願を提出して失踪するかと思いきや、稲川淳二、滝川クリステル、関根麻里、飯野賢治、ミッキー吉野、胡弓などのモノマネを死に体から続々と繰り出し、バイトの終わりが近づいた終電間際にはなぜか絶好調に。最後にはビッグ・ポルノで披露した市川AB蔵のラフィン・ノーズ風Oiパンク「Oi、お茶!」を熱唱すると、熱狂したバンギャルたちがステージに押し寄せ3人の死者まで出た。前回の『ハッスル』後楽園ホール大会といい、文句なしに興行のMVPを射止めたRG。これだけ大活躍しているのに、風を全く感じないのが不思議だ。
ライブ全体としてはふくろとじ・けんじるが原点回帰のオール下ネタ、お野菜太郎の胡瓜にコンドームをかぶせる漫談までがウケるトランス状態の中、客の意識を一気に沈静させたのが震えるカリスマンというピン芸人。38歳の杉作J太郎臭ただようオヤジが全身白タイツのヒーローキャラで一発ギャグを続々とぶちまけるのだが、これがスベリマニアの私からすると「大ごちそう」。もうおなかいっぱいだ。久しぶりに舞台上でブラックホールを見た。その震えるカリスマンがアクセントとして多用する「ヨッホイトー!」の掛け声は、津軽弁の「ほいど(乞食)」にしか聞こえません。