ダイアン単独ライブ「トウキョウダイアン」(シアターブラッツ)

漫才6本にトークコーナー2つという中身の濃いライブは、どれも面白い漫才が続く中、「相撲を知らない西澤が津田に競技の説明を求める」ネタが衝撃の出来。ライブの幕間映像ではちょくちょく「年末に1000万円を獲る」ことを主張していたが、本当に大金を稼ぐために生まれてきたような鬼っ子ネタ。別に私はM-1至上主義ではないけれど、リズムや技術で観客を心地よくさせる笑いから遠く離れた、頭の中にある全てのかさぶたをざわつかせるような脳内物質分泌促進漫才で、決勝でズッコンズッコンうけている画まで勝手に想像してしまった。会場に大麻は回っていなかったから、あれは漫才が中枢を刺激したのだろう。
昂揚を覚えたあまり記念にライブTシャツを買おうとすると、西澤がよく描くイラスト「お稲荷さん」を採用したデザインは、おそらく日本中の文化祭制作Tシャツを含めても指折りの完成度の低さ。その存在を横目で確認しながら、私は物販を素通りして会場を後にした。今年の年末、ダイアンはこんな薄情な人間を猛烈に後悔させてほしい。