アホマイルド・クニに乾杯(シアターブラッツ)

キュートンの右脳的存在アホマイルド・高橋がちらちら披露しているサイレントコントを1時間もドバドバ大放尿するライブへ。これが期待を凌ぐ面白さ&完成度で、もし下北沢で演劇関係者が公演しようものなら、サブカル女が「シュール」「ヤバかった」「あー惚れた」の三単語を駆使して1万字のブログを更新しかねない身の詰まった内容なのに、ほとんどの出演者が白タンクトップに白ブリーフの衣装を装着してるもんだから、榎本俊二のマンガに刺激されたバカ高校生が休み時間に模倣してるようにしか見えないのだった。本当にいいものを見た。
そして傑作のロングコント『毒まんじゅう』からエピローグを経て終演を迎えた後、会場には深深と拍手が鳴り響き、それでも観客全員が帰り足りない気分になったのか、アンコールを強要するわけでもなく再び拍手が湧き上がっていた。ゴミのようなライブに幾千回も通っていると、たまにこんな泣きそうな夜に巡りあうこともある。ちなみに今回キュートンの劇薬・しんじは致死量の1/100程度しか処方されず、代わりに私が二代目・しんじとして注目している水上拓郎が、食前・食中・食後レベルの出ずっぱりで服用されていた。知らない人に水上拓郎を説明しておくと、昔、若手ライブで叩きつけた麻原SHOW-COWのコスプレが会場中を凍りつかせ、坊主になった今では根本敬が描くデブホモにしか見えない期待のスーパールーキーです。