RGのカラオケをオールナイトで聞かされる会IN東京(渋谷シダックス)

レイザーラモンRGのブログとツイッターに記された「8日の23時半、渋谷シダックス前に集合」の情報だけを頼りによるべなく人が集まると、本当に姿を現したRGの後を追ってカラオケルームに進入。そのまま業界を騒然とさせてやまないRGのあるあるソングを本当に朝まで聞かされ続ける、現代版・ハーメルンの笛吹き男イベントへ。
会場中に「本当に朝までやるんだろうか?」「よく考えたら平日なのに明日会社どうしよう?」の不安が立ちこめる中、マイクを握ったRGは安室奈美恵Chase the chance』にのせた歌舞伎あるあるを皮切りに、チャゲアスあるある、久保田利伸あるある、米米クラブあるある、チェッカーズあるあるなど、この世の中に存在するありとあらゆる森羅万象を「チャゲと飛鳥は仲悪い」「久保田利伸は昔刈り上げていた」「石井竜也は『河童』という映画を監督した」「フミヤと高杢は仲悪い」など、あるあるというより雑学、雑学というより印象で切り取って行く。途中、本当に歌いたかったらしいリック・アストリーの『Never gonna give you up』、『君は1000%』、『ニルスのふしぎな旅』だけはあるあるチューンアップせずに熱唱していた。
そして圧巻の洋楽あるあるタイムが訪れたのは午前3時前後のこと。
隅の客から「どこから来ました?」と訊ね、江戸川区の女性にはワム!の『Wake me up before you go go』にのせた江戸川区あるある(正確にはあるあるではなく「江戸川区は風強い」という情報)、足立区の女性にはニルヴァーナの『Smells like teen spirit』にのせた足立区あるある(正確にはあるあるではなく「足立区は柄悪い」という常識)を捧げた後、ちょうど私の番に回ってきたので「墨田区から来ました。レッチリでお願いします」とリクエストすると、そこからなぜか客の素性+リクエストされた洋楽というよく分からないルールが発足。
はたしてレッチリ『By the way』にのせた墨田区あるある、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン『Guerrilla Radio』にのせた杉並区あるあると来て、レッド・ツェッペリン『天国への階段』にのせた世田谷区あるあるでは、Aメロが信じられないぐらい繰り返されるので、これまた信じられないぐらい「♪世田谷あるある早く言いたいよ〜」の歌詞を繰り返したRGは、最後、客に向かって笑顔を決め込み、愛嬌だけで乗り切ろうとしていた。当然、ジミー・ペイジのギターソロもクソ長く、歌い終えたRGは顔を上気させ、「8分の大作ができちゃったね! こんなショートネタブームの最中に・・・」と手ごたえをつかんだ模様である。
さてよりにもよって平日の夜、こんなイベントに参加するのはRGファンを煮詰めて焼いて焦がして爛れたような生粋のRGファンに決まってるわけだから、イベントは夜を徹して大熱狂のうち終わった、かといえばそうではなく、客もRGもペース配分を気にして淡々と始まり、そのまま粛々と終わっていったのがなんとも不思議だ。はたして朝の5時、笛吹き男(バービーボーイズKONTA)に解放された我々は、「というか何だったんだこのイベントは?」と首をかしげながら、火星のように人気ない渋谷を駅へと向かっていったのである。
ちなみに私が選ぶこの日のベストアクトは湘南乃風純恋歌』にのせた「レゲエが好きそうなヤツあるある」です。