「東京vs大阪 若手芸人炎のトークバトル!!」(シアターモリエール)

どういう基準で選ばれたのかよく分からない東京と大阪の若手各4組が、勝って何を得るのか分からない状況で雌雄を決する血みどろ必至のライブ。
私のお目当ては大阪の若手で、男女コンビ・シンクロック・木尾の如才のなさ、アイロンヘッド伝統芸能「拳の舞」、アインシュタイン・稲田の幾何学的フェイスとスナイパーのように正確で鋭い切り返しなどを堪能する。
しかしよく考えると、ライブそのものの存在は知ったのは、この日のMC・中山功太の名前をチケットよしもとで検索して引っかかったからだった。そう。私は時間があれば「ルート33」「ジョイマン」「とろサーモン」などの出番を検索して、舞台数から芸人の株価変動を推測してはニヤつく、ゲのゲの外道野郎なのである。
中山功太は当然のように肥沃な肉体・頭髪の過疎化・現在バイトしてる不況ぶりをネタにしていたが、稲田と並んだ時、圧倒的に異形の佇まいである稲田の方がテレビに出ていそうな雰囲気を発散させていて驚いた。負を昇華させてる稲田と負をこじらせてる功太。あの才能の行方が心配だ。
そんな人気が乱高下する芸人の世界で久しぶりに見たインポッシブルは、人気、芸風、パワー、スピード、体毛に一切の変化なし。そういえばこないだ同期のフルーツポンチを取材した時、「インポッシブルは養成所から芸風おんなじですよ」と言っていた。インポッシブルは人間ではなく、永久機関なのかもしれない。