世界キワモノ演芸2004ファイナル!!(ロフトプラスワン)

昨年6月に同場所で開催されたイベントの決勝大会は、予選と本選で出演者の顔ぶれがほぼ同じという自由ぶり。トーナメント表を並べるとまるで間違い探しだ。
さて、けんじるvs汗かきジジイ、増谷キートンvs大西ライオンの垂涎カードで幕を開けた戦いは、のっけから”コスチューム=裸”芸人が4人も続いて、ドヤ街で身体検査を試みているような装いに。以後、舞台は時折チムポが明滅する魔空間へと突入し、カリカ家城の実母から、白仁田佳恵(吉本興業社員らしいのに誰もそのことにふれない)withスーパー平成ドデカバンド、エログロ差別ネタでお笑いブームを牽引するヴァンギーナなどキワモノが続々と登場。普段は変態オーラでその姿がかすんで見える追い風三等兵南海キャンディーズ・山里)の輪郭までもがはっきりと確認できた。
しかしながらこのような演者がどこまで無茶をするかが見えない辺縁系イベントは、客席に漂う緊張感が笑いの奇跡を起こすであって、前回の開催で着地点が見えていたせいか、芸人の狂気は針をふりきることなく制限速度内に終始した印象。そんな味気なさの正体を必死に考えていると、横にいたB-BOY風若僧が初見らしき増谷キートンを指差し、「あいつチョーうける」「ムダにいい体してるんですけど」「バカじゃね?」と泣きながら爆笑。その姿を見て、このイベントに少しでも意味を求めようとした自分の姿勢を恥じた。笑いを理論で固めようとするのは所詮、無意味な行為なのである。マンガ喫茶そっくりなロフトプラスワンのメニューを食文化の視点で語るくらいに。