5じ6じ(ルミネtheよしもと)

橋本真也が亡くなって数日。それではサブミッションズを解散し、もう一人の橋本=相方の北条を失った前田ししょうは舞台でどんな戦いを見せているのだろうか? そんな壮大なテーマを確かめるべく、夕方のルミネに乗り込む。
2学級が混合授業してるのかと思うような客の少なさに驚くが、それよりこの日驚いたのはサカイストの漫才。ファンの目も会社のプッシュもさらなる若手に向かい、大量の軽いギャグをひたすらスピードでこなしていくビートパンク漫才に危機を感じたのか、通常のボケを全部フリにしてツッコミのチャラいキャラで笑いを取る新しいパターンに挑戦していた。そんなに何度も使える手ではないだろうが、その手のうちを晒した開き直りは、腕を一本くれてやるから敵の命を抉ろうとする手負いの獣のよう。生まれて初めてサカイストを面白く感じた。
ところで気になる前田ししょうは、エメリヤーエンコ・ヒョードルがトレーニングをする物真似などでいい塩梅に滑るものの、ネタが終わるやMCとのトークですぐさま蘇生。私はこの高いバンプ技術を見たかったのかもしれない。なお終演後に新宿のツタヤに寄ると、ゴングショーでミュージカルネタに励んでいた大西ライオン東京事変のPVを眺めながら足でリズムを刻んでいた。ファンの夢を壊さないでほしい。