フキコシ・ソロ・アクト・ライブ「mr・モーション・ピクチャー」(スパイラルホール)

生まれて初めて足を運んだお笑いライブだったり、客席に人生で一度だけ生ナンシー関の姿を見かけたりと、何やら思い出が深い吹越満の単独を久しぶりに。今回は映像を駆使した緻密な笑いが盛りだくさんの内容。
ネタは相変わらず顔ボード芸や「その線」系など、全てが4、5パターンに集約されるものだった。しかしそれはマンネリというより、コード進行が同じブルースを聞く味わい。いつもの基盤の上でネタが旋回し、うねり、結局は形を変えて育っている。
また喰始演出時代は仕掛けの大小、下ネタの濃厚具合、完成度の高低、やたらネタの出来不出来がはっきりしていたけれど、最近の公演ではどれもが平均点のやや上をかすめている感じに。でも吹越のようなシャープな芸風だと、その方が落ち着いて観賞できる。私にとって吹越はmr・モーション・ピクチャーである以前にMrボードビリアンなのだ。ついでにMrコメディエンヌが桑原和男。あとMrレゲエDJはランキンタクシーで、Mrプロレスは天龍。ミスター梅介とうすた京介は名前が似ているけれど赤の他人。もう収拾つかないからこのへんで。