東京ダイナマイト単独ライブ「M-1 Dynamite!」(日比谷野外音楽堂)

私が見た日比谷野音の中でGONTITIの次に客席の反応が静かだったライブ。情報量過多の客を相手に次々とアリネタを投入し、ネタのつなぎもおそろしく適当なあまり、前回の伝説の野音単独より客の入りは2倍で笑いは半分の印象に。春先にインタビューした際、「これからは客の想像力を下回ります!」とあげた怪気炎を二人は実践したことになる。けれど東京ダイナマイトの評価が落ちることもない。あれだけスベっても堂々として、ハチミツ二郎至っては”松葉杖で足を引きずって退場”という伝説も作れたのだから。小さい一敗なのである。
気になったのは、最後列で酒宴を繰り広げる高田文夫先生ファミリーのうるささ。完全に客席で気配を消して、一切合財ファンから声をかけられなかったPOISON GIRL BAND吉田の謙虚さとは対照的だ。側近なんかヨイショ&同調に夢中で首の骨がブーメランみたいな形状になっていた。面倒見が良くてラジオのゲストに来たから顔を出したというより、日大芸術学部出身の経歴だけで接近した宮藤官九郎の如く、浅草キッドの弟子筋の流れで囲いこもうとする臭いを嗅いだのは私だけか。それを前にしてはハチミツが巻いた湿布の臭いすら無力だ。