twlスペシャルライブ(中野Studio twl)

大手事務所からインディーズ系まで、若手が数十組出演するショーケースライブ。チャラい外見なのにしっかりした流れがある漫才のモンキーチャック、アドリブが全く浮ついていないラブカップルが充実した出来。特に後者は女性が主導権を握る男女ドツキ型漫才なのになぜか古臭く感じない。サニーデーサービスの曲が今聞いても違和感ないような。なんだこの微妙に古い例えは。たまに演歌聞くと泣いちゃうような。これも違う。ニューミュージックなのに新しくないとはこれいかに。もう全てが違う。
それはともかく胸に響いたのは、MCのきぐるみピエロ・小林の汚さ。こだわりではなくずぼらのベクトルで汚れきったジーンズに携帯電話や財布をつめこみ、秋葉原を越えて幕張メッセに達したすさまじいシルエットで、ファッションに興味がない私ですら「これで舞台に出ていいのか」という不安を覚えたほどだ。おしゃれが行き過ぎて残念な進化を遂げたタカアンドトシ・タカのトレーナー、リットン調査団一門の芸人コギレイ化を否定するTシャツというモード。芸人の非オシャレは全ていじられるためにあるのに、小林の身なりに言及する者は誰もいなかった。きっと触れるのに躊躇ったのは、あのファッションが“売れなさ”を擬人化した完成形だったからに違いない。