大阪発ワイドショー、神戸着

大阪に遠征して”ああ今、大阪にいるんだなー”と強く感じるのは、電車内で大阪弁を聞いた時でも、金龍ラーメンでご飯をおかわりしてる時でも、NGKの裏で普通に向こうから島木譲二が歩いてくるのを目撃した時でもない。それはホテルのテレビでワイドショーを眺める時だ。
一言で表現するならば、あのゲスい空気。あれは関東の番組にはないもの。いや、ワイドショー自体、格調を云々する存在ではないが、東京のワイドショーは”有名税”やら”知る権利”をふりかざして、卑しい野次馬行為を何とか正当化しようとする節がある。しかし関西は全くのノーガード。言い訳なしで「見たいものは見たい!聞いた噂はそのまま言いたい!」と、欲望が剥き出しなのだ。東京だったらリポーターが玄関の前をうろついている程度なのに対し、大阪のリポーターは勝手に上がりこんだ庭でウンコしてる。
そんな関西発のワイドショー”なるトモ!”が東京でも視聴可能になったので、早速チェックする。チャンネルを回すといきなり「今日は誰の誕生日?」というワイドショーの定番VTRが流れたので「まあここらへんは西も東も同じか」と納得していると、紹介された有名人が「ちゃらんぽらん・富吉」「横山たかし」「西川ヘレン」の関西を代表するセレブ三銃士だ。なんだこのチョイス。今ネットで検索したら他にも「マッスル北村」「ガリットチュウ・福島」「すかんちのポンプ小畑」がいるのに彼らを差し置いて!
動揺を抑えるためガムの銀紙をバリバリ噛んでると、画面には続いて「今日は何の日?」VTRが流れた。「まあここらへんは西も東も同じか」と納得していると、はたして「02年、小室哲哉とKEIKOが結婚」の後に紹介されたのは、「92年、西川かの子がタレントデビュー」だった(実話)。スタジオに戻ると、司会のなるみは「今週は西川ウィークやね」と平然とコメント。今週は、って昨日までに何が? あの声の野太さすら、東京のワイドショーには存在しない。