志の輔らくごIN PARCO vol.10 其の壱(パルコ劇場)

私のようなお笑いジャンクは会場が必要以上にウケていると急に醒めたり、逆に空気が澱むと笑えてくる因果な生き物である。会場のトイレに行っても放尿は便器の外を狙うし、脱糞は脇の下からという天邪鬼ぶりだ。
しかしこの日の立川志の輔の落語では、抽選会場の混乱を描いた「ガラガラ」で爆笑し、職人の失意と矜持を切り取った「宗萊の滝」で胸に熱いものがこみ上げる始末。完全に演者の手玉に取られるチョロい客になってしまった。でも正月早々、こんな気分を味わうのは悪くない。
ところでこの1ヶ月に渡る長丁場公演、1プログラム×24日だと思っていたら、4プログラム×6日なのだとか。これだけ量こなすって一体なんの冬合宿だ。もし壮大なリハーサルを経て2月に宇都宮パルコで本番を控えているのだとしたら、私の腋の下は再び衝撃で汚れそう。