志の輔らくごIN PARCO vol.10 其の参(パルコ劇場)

また懲りずにPARCO劇場へ。「メルシーひなまつり」がとにかく傑作。泣かして笑わせての落語ながらお涙頂戴ではなく、莫迦らしさの向こうにささやかな感動があるのだった。また物語の中で準主役的役割を果たすフランス人親子を一切演じないことに感心する。立川志の輔が落語を評した言葉「なんにも無いけどなんでもある」をなぞるように、登場しなくてもその姿は舞台に存在していた。
そしてこの夜の枕は雪で往生した話だったのだが、公演の翌朝、東京は一面の銀世界に染まった。なんにもない落語という架空を、なんでもある現実が追いかけるように。



なんだこのレトリックに自分で酔ってるような気持ち悪いレビュー。壱も弐も見てもう新しい感想出てこないんだよ! 外部の光景としては、当日券で並んでいた初老の親父が「なんで一番前の席がないんだ」と怒っていたのが面白かったです。鈴本演芸場にでも行け。