LIVE the 前田ししょう(ラフォーレミュージアム)

今月で芸人を引退する前田ししょうの花手向けライブ。同時刻に行われるシティボーイズライブのチケットを他人に売りつけて原宿に向かった私を含め、会場は政財界の大物から皇室関係者まで、その引退を惜しむ者300名弱で膨れ上がった。
前田ししょうを称えることが唯一無二のコンセプトだったのだが、ライブが展開すると「金に汚い」「ガタイのいい女に異常な性的興奮を覚える」「部屋に泊まりに行ったらベッドの下が某マルチ企業のダンボールで埋め尽くされていた」など、黒い部分ばかりが露わに。最後は「そのガタイのいい女性スポーツ選手とエロスな体験ができる」と銘打たれたVTRが用意され、蓋を開けてみればドッキリ企画で実は妻からのメッセージ。前田ししょう号泣。客席大感動。の段取りのはずが、前田ししょうは妻の映像に対し「・・・なんだよスポーツ選手出てくると思ったのに。期待して損した」と失望の態度を隠さず、舞台・客席に充満していた優しい空気も、ギュンギュンと落胆の色に染まっていった。飛ぶ鳥、跡を濁しまくる。白茶けた羽根とか糞がそこらへんに散乱。さすがだ前田ししょう。
そんな前田ししょうの最後の勇姿は、ボンジョビの当て振りをしながら客に向けて叫んだ一言「グッバイ、エブリバディ」だった。その古いセンスに同調しつつ、私も新たな人生を送る彼に一言を返したい。グッバイ、ファーラウェイ、もしくはグッバイ、アムウェイ。