20分漫才(シアターモリエール)

えんにち、オオカミ少年、人事部、天狗、エリートヤンキーの東京NSC9期生による、新人にしては尺が長めの漫才イベント。頭ひとつ抜けていたのは天狗で、何ヶ所かネタを中川家みたいに展開させるというルーキーらしからぬ仕事をしていたが、ツッコミ・横山の舞台さばきが堂に入っているのでごく自然な仕上がりに。おそろしい男だ。
それとは全く別の方向性でシビれたのはオオカミ少年・片岡。いつもの学ラン+サングラス姿ではなく素顔で披露した漫才は、ひたすら片岡があつかましい笑顔と独りよがりなギャグをふりまき、スベると分かっていてもただ前に突き進むスタイル。そのハートのぶ厚さは屠殺場で加工されていないミノ級だ。この世に生を受けて30余年、生まれて初めてオオカミ少年で笑った。天狗の横山が華麗な棹さばきで川を下っているとするなら、片岡は重戦車が滝のせり出しに向けてズンズン進んでいくのみ。作戦云々を振り返る前に、はたして指揮系統は存在するのだろうか。