大川興業第二回総裁選(なかのZERO小ホール)

総裁選に参加するのは国民の義務なので中野へ向かう。混雑を警戒していたが会場に集まったのは約400人で、日本の人口を1億2000万人とすると実に投票率は0・000003%! 自民党総裁選に国民は参加しない事実が確実に脳裏をよぎりつつも、私はこの国の政治無関心を大いに憂った。
さて立候補演説では大川興業永遠の副総裁・寺田体育の日が芸歴20余年にしてまさかのウケ具合。米粒写経・居島のハイパーきわまりない応援演説も重なって、会場には瀬戸内海に面した廃村で日本海の湿った潮風を嗅ぐような奇跡的かつ濁った追い風が吹き抜けた。出口調査でも寺田は一番人気。私も予期せぬエンディングを期待して、寺田体育の日に投票する。
はたして。
寺田体育の日164票。大川豊186票。大川豊、5年ぶりに総裁へ返り咲く。寺田応援色に染まりかけた会場は半バッド・エンドに戸惑い、大川新総裁は歓喜の花火三連発で爆ぜるように踊り、大団旗を掲げる寺田は世界一どうでもいい涙を流した。
しかし私が某筋から入手した極秘情報によれば、開票で不正操作が行われていたという。どうにもフロリダ州で寺田を支持した1万9000票が無効票として扱われた模様。もし再集計が認められれば、大川の186票に対し寺田は190164票。その時誕生するのは、寺田体育の日大統領だ。