名糖喫茶

夕刻。総武線で都心に向かっていたら、両国から年配の老人が大勢車両に乗り込んできた。相撲観戦帰りの一群なのだろう。誰もが水でも汲んだように膨れたお土産の紙袋を両手に抱えているので、ただでさえ人が密集している車両はなおのこと身動きが取れなくなった。
電車は浅草橋で停まり、次の秋葉原へ。車両が停車した階段付近のホームを見ると、家電量販店の紙袋を両手でひしと握ったIT(いんなあとりっぷ)君たちが待ち構えていた。我先に降りようとする大相撲九月場所紙袋。その前に立ちはだかり阻止せんとするソフマップ紙袋。生まれて初めて見た、紙袋間の世代闘争を。
しばらく二つの集団が揉みあっていると、噂を聞きつけたのか鶯谷方面からボロボロの三越デパート紙袋を携えたガチニート軍団が押し寄せてきて、秋葉原駅のホームは修羅と化したのだった−−。それにしてもあのおウチレスの人達はどこで切符買ったんだろう。