ロックンロール大爆笑王(ロフトプラスワン)

ロフトプラスワンで行われる若手のトーナメント。そこまでの要素は下ネタのアリラン祭『キワモノ演芸』にそっくりなので「さて今日はどんな形状のフグリが見れるかな?」と赴くと、参加24組の芸人が陽にさらされても恥ずかしくないネタをしているので驚く。
とはいえアルコールがそこかしこで振舞われる会場の興行がスマート一辺倒に終わるはずもなく、一人で荒い波を立てたのがワタナベエンターテインメント所属の芸人・ぽんぽこ。西郷隆盛から偉人のオーラを取り上げたような容姿から「オフコース!」「ヤングヤングヤング!」など、わがままなギャグを次々と放出する様は、猫ひろしというより重装備仕様のおかっぺ風味。勿論したたかに酔った審査員や私を含めた野郎どもは手を叩いて爆笑するものの、女性客は一向に食いつかず、客席は淡水と海水が交じり合わない河口のようだった。MCのダイノジ・大谷も「キャラ品評会じゃなくてネタを見てもらいたいのに……」とでも言いたげな歯痒い素振りを見せていたが、会場を考えると順当な結果だと思う。この日のぽんぽこはキワモノに居場所を与えてくれるロフトプラスワンの地縛霊だったのだ。
なお決勝ではぽんぽこと亀田親子のモノマネで進境著しいレアレアを抑えて、けんだまが優勝。1,2回戦はネタをかぶせて、準決勝はゲームネタでご機嫌をうかがい、最後にウンコネタで体の内部からリフレッシュというトーナメントで勝ちあがる方法を熟知した戦い方だった。一体どこで覚えたんだ。