オフ喜利4(ロフトプラスワン)

昨年初めて見て「素人でもこんな飛距離の回答を飛ばすのか!」と慄然&軽い嫉妬すら覚えたアマチュアの大喜利イベント・オフ喜利。今回知人を誘って会場に向かうと、昨年の衝撃はどこへ。「もっと面白かったんだけどねえ……」と言い訳しながら、テーブル上の注文カードの陰に身を潜めて3時間半をやり過ごした。
手数の多さと大振りがオフ喜利のキモなのだが、回答がスベったら次の回答、お題が詰まったら次のお題へとひたすら流れる様はほとんどトランスの領域に。16拍子の間に1キックでも面白い回答が入れば成立してしまう世界を作り出していて、客席には「笑う/笑わない」ではなく「ノる/ノらない」の二元論しか存在していなかった。演者のスベった責任がノリの中に埋没する舞台に、私は興味を感じない。
魅力的だったのは「みち」という回答者で、激しく客の反応が薄い回答を重ねるにつれて、どんな原理なのか、どんどんTシャツの首まわりが伸びていった。そこにあるのはトランスのリズムではなくて、演歌に通じる哀切のメロディ。私は踊りたくてお笑いライブに行くのではない。こういう音色を聞きたいのだ。