行列五郎(ミニシアター新宿Fu-)

「各事務所マネージャー推薦の新世代芸人総勢21組によるバトルコーナー、豪華ゲスト陣計13組によるネタコーナー」という触れ込みで3時間半にも及んだ耐久ライブ。もはや詳細もおぼろげながら、「うんこ」をコントの主軸にして笑いを取ろうとしたダブルちゃんという若手の危険な勇気、ゲスト陣の中でも頭二つは抜けてた磁石の漫才、樋口のオシャレ開眼・猿橋の離婚・コンビ解散危機もろもろを乗り越えたら、腰の据わった掛け合いをするようになっていた5番6番のMCなどが記憶に残る。
超若手〜若手を大量に見る中で、アニメキャラ模写芸人の台頭に伴い、コーナーの隅を突くように見せてどんどん球を置きに行く「ドラえもん」「サザエさん」「ドラゴンボール」のネタ&小ネタが微増している事実に気づく。90年代中盤から「まだサザエさんの次回予告をギャグにしてんの?」と辟易してたら、ついに干支が一回りしてしまったのだ。こうなるともはや「今さら」と一括する方が間違いであって、おそらく「この世で発表される全演芸の総質量のうち3%はドラえもん・サザエさん・ドラゴンボールで構成される」という自然法則があると考えるべきなのだ。
だから私は金輪際、若手が「しずかちゃん、エロッ!」「(誰かと思ったら)中島!?」とこれまで5億回は聞いてきたツッコミを入れても一切文句を言わないことにする。しかし信じがたいことに全く読んだことがない「ドラゴンボール」(実話)はネタの真贋が全く分からないので、私でも知っている植田まさし先生をプッシュする若手が早く誕生することを祈るばかりだ。4コマをそのままパクっても私が許すから。もちろん観客と植田先生が許すかどうかは私の知るところではない。