キュートン15(シアターモリエール)

主催者側の説明「無意味でくだらない2時間なので怒らないでください」が謙遜でも何でもなく、ただ真実を語っているだけの『キュートン』へ。下ネタのインフラが全くゆるがないクソコントやゲロネタはいつも通りの出来だったが、大きな変化として絶対王者・増谷キートン、裏エース・しんじの規定路線に一撃を食らわせるかのように、Bコース・ハブが新世代として抜群の存在感を示していた。ムーディー勝山にインスパイアされたパクリ下ネタソングを微妙な歌唱力で歌い上げれば大いにスベり、客にキスをせがむ競争では対戦相手の増谷キートンが女性客から見事唇のベーゼを獲得したのに対し、ハブは全ての客から視線を逸らされるばかりか、最後はキートンとキスした客に詰めかけ「1回も2回も同じだろ!?」「今さらカマトトぶってんじゃねえよ!」と毒づくなど絶好調。頭角を現すとはこのことだな、と私はうなった。ムダにいい体もキートンに引けを取らないし、今後二人がライブの両輪として機能することは間違いないだろう。
その他いい光景としては、平成ノブシコブシの二人がブリーフ一枚の裸体をさらしたエンディングでは網膜が痙攣するほどカメラのフラッシュが光っていたのに、直後のおまけ企画「アホマイルド芸能10周年記念ライブ」が告げられて暗転した瞬間、会場が深夜の樹海のごとき漆黒の闇に包まれたこと。あとパーマのカツラをかぶったくまだまさしは茂木健一郎によく似ていたので、そのうち「脳科学、どうだ〜い?」などのモノマネを開発してほしい。モジャ木ってびっくりするほど当たり前の事しか言わないから、みんな「あの人ってそういうこと言うよね!」と納得するはずだ。