try ワラb(3)1次予選(baseよしもと)

京都出張の日帰り仕事があったので、すかさずbaseへ。新しいシステムを全く理解しないまま、大阪吉本若手が形成する三角形ヒエラルキーの底辺ライブという事実をほんのり噛み締めて席に着く。
合計26組が出演し、合格は6組。非合格組の中にはネタを忘れて立ち尽くす若手が数組いて、しごく普通のオーディションライブの光景なのだが、合格組、特にモスグリーンやダ・ヴィンチや女と男などの漫才勢は受かるべくして受かる、ウケるべくしてウケる技量ばかりで、合格者と非合格者の間には深くて広い河が流れているのだった。しかしこの残った数組も同じ週の合格組が集まった週末の2次予選でさらに5組に絞られ、それを勝ち抜いた15組が月末の決勝で上位3組に入るとその上位リーグに当たる「プチbメンバー」との入れ替え戦に出場できて、「プチb」の上にはさらに「ワラb」が存在する・・・・・・ってどれだけ層が厚いんだろう。こう書くと一般人は「その上の上にいる「ワラb」ってどれだけすごい芸人がいるの? ダウンタウンとか仁鶴師匠とか?」と思うかもしれませんが、ワラbにいるのは大脇里村ゼミナールや極悪連合などです。
そしてこの日感じたのは、オーディションライブに限るならば、関西の若手の漫才は発想・技術・構成のどれも、関東より圧倒的に優れているということ。でもコントになると審査も客も甘くなること。そしてピン芸人は壊滅的であること。関東はセンスが先走ったり周囲を完全にふりきった若手がピンに走るのに、関西は誰ともコンビを組めなかった者が消去法でピンを選んでいる感じだ。
なお『あらびき団』で全国に名を馳せるダ・ヴィンチ釜口のフェイス(2008年度吉本ブサイクランキング9位)の生観戦を楽しみにしていたら、実際のところ大きな衝撃はなし。というかポップな衣装と晴れやかな声に押されて「見ようによっちゃ可愛いんじゃないか?」の感想が脳裏をよぎる始末だ。我ながらどういう眼力をしてるんだろう。と自分に自信を失いかけた時、退場しようとする釜口の横顔が目に入ると、それは故・山田花子のマンガに出てくる「アゴのない女」にそっくりで遅ればせながら衝撃を覚えたのだった。
「なんだ、やっぱりすごいんだな!」と安堵して、ふと横の席を見たら、そこには見学に来ていたらしい若手芸人・バンパイアの稲田が。その鰹節を思わせる大胆すぎる顔のフォルムに椅子からずり落ちた。