第52回トンデモ落語の回(浅草木馬亭)

売れてる芸人は簡潔で面白く、売れてない芸人はただただ冗長という、噺家格差二極化の実態を如実に見せてくれる興行。いわゆる若手お笑いの世界で腕のない芸人のつまらないネタが、女の子ファンに過剰にウケるのは”擬似恋愛感情”を担保にしたサブプライムローンのようなものだから、「こんな状態、どうしたって長く続かないよな〜」と安心して見ていられる。一方、こういうキワモノ系ライブにいるのが、過激な単語だったら脊髄反射で何でも爆笑する輩。もうそこには担保すらなく、関係を甘受する演者と子供銀行のウソ紙幣を未来永劫交換しているだけだ。勝手にやっててくれ。
この日、もっとも面白かったのは下ネタをふんだんに練りこんだ三遊亭白鳥の「初天神」で、その完成度は優良株というよりFX。なんかすごいリターンがありそうだけど、扱い方がよく分かりません。