マッスル坂井自主興行(新木場1st RING)

天才・マッスル坂井が『マッスル』では表現できない世界を創ると聞いて、新木場へ。終始、消化不良な試合が続いたが、そんなことはどうでもいい。バッファロー吾郎が出たのである。終盤「格闘技は発想力の勝負だ」というきっかけから、中間の展開を完全にすっ飛ばして、気がつくと舞台はうめだ花月で撮影されたマッスル坂井とバッファロー吾郎の大喜利勝負へ。突如として行われた簡易版『ダイナマイト関西』に私は大興奮。現代大喜利の中興の祖であるバッファロー吾郎・木村館長の回答が、会場でもほんのりスベッてるのがまたよかった。ちなみに舞台で何回も出てきた「大喜利は発想のスピードガンコンテスト」という言葉は、もしかすると『Quick Japan』の木村館長インタビューにおいて、私が初めて文章化したフレーズかもしれない。そうだとしたら嬉しいから、先人がいるかどうかは調べないでおこう。
またバッファロー吾郎との魂の斗い、すなわち魂斗(こんと)で幕を閉じるかと思いきや、最後にはプロレス界の禁断の果実・ミスター高橋が登場し、再び大喜利対決へ。”大喜利をしている”状態そのものが圧倒的に面白い高橋を相手に、大喜利巧者である坂井は大苦戦。お題「妖怪ぬりかべの弟の名前は?」に対する高橋の回答「セメントボーイ」に私はひっくり返って笑った。久しぶりに回答から逆算されたお題を見た。いい夜だった。
詳細はスポーツナビをどうぞ。あれだけフィーチャーされていた新世代滑舌芸人・インタレスティングタケシについて記事がほとんど触れていないのは、スポーツ畑からの視点では彼を正しく解釈できないからだろう。だってお笑いの地に寄って生きてる私から見ても理解できないのだから。芸人としての立ち位置云々ではなく、滑舌が斬新すぎて何を言ってるかが分からないのである。