ラジオデイズ落語会・三遊亭円丈&白鳥落語会(西新宿ハーモニックホール)

三遊亭白鳥「トキそば」「スーパー寿限無」の噺家にあるまじきギャグ生産能力に圧倒されていたら、その師匠・円丈の「ランゴランゴ」がまたすさまじかった。格安の営業にアフガニスタン人の弟子を出向かせようという内容で、グローバリズムによる雇用の国際化と低賃金問題を風刺してるように見せて、実は終盤に出てくるアフリカン師匠が「ペロピ〜」だの叫んで、結局、力ずくの擬音で笑わせるお話。しかも擬音が小島よしおの「ラスタピ〜ニャ」なみにいちいち軽い。64歳にしてまだこんなにウケることに貪欲なのか! と軽い感動すら覚えた。
しかしよく考えると「外人が日本の笑芸に挑戦する」設定は、若手お笑い界ではイラン人のデスペラードやビジュアルが黒人の西麻布ヒルズなど、全く珍しい状況ではなくて、落語界はなんだかんだいってまだ攘夷の文化が残ってるから面白いのかもしれない。だとしたら尊王の中心にいるのは円丈の兄弟子である円楽なのかも。芸云々ではなく、最近のメディア露出が昭和の終わりを彷彿とさせる。