天津人〜東〜(シアターブラッツ)

天津の東京初単独。挨拶に続いて「僕らの漫才を初めて見る人いますか?」と訊ねると、結構な数の手が挙がり、その状況を天津も平然と受け入れていた。改めて天津・木村の浸透度に驚く。
しかしライブが始まって1時間も経つと、木村が要所要所でセリフを噛み、おもしろエピソードを失念し、企画コーナーのコンビ対決では3本勝負なのに早々と2敗するなど、順調に本領を発揮。昔、大阪吉本の若手番組『ベリーベリー! base』で木村の全方位的不甲斐なさを目の当たりにした相方・向が「僕が頑張らなあかんと思います・・・」と唇を噛んでいた光景を思い出した。私はそんなバランスで成り立つ天津が好きだ。
またオープニングの映像では木村の父である木村初男が登場。詩吟を一節吟じると、誰も本当の詩吟を聞いたことがないはずなのに、客席のあちこちから「うまいな!」とのざわめきが漏れた。今考えるとあの映像も木村を貶めるための一装置だったのかもしれない。