三遊亭白鳥独演会「地方の白鳥、飛来。シモキタ」(北沢タウンホール)

「地方の白鳥」とは、地方の公共機関や商工会から「明るい営業術をテーマにした落語を」「乳がん検診を促進する落語を」などの無理な注文を受けた三遊亭白鳥が、おそろしいことに噺をこさえてしまったので、それを都心に逆輸入して発表しようという落語会。つまり地方(ドサ)と思想宣伝(プロパガンダ)が融合したドサバガンダ落語である。ドサバガンダ。熟女ユニット「女盛りゲザデレタ」以来のゲスい単語だ。
この日、本当に驚いたのはゲストで登場した笑福亭鶴笑のパペット落語「西遊記」。小道具満載の完全な大道芸で、大阪の劇場や海外といったキレイ事が通用しない世界で戦ってきたことがすぐ分かった。お笑い界で本当の生存競争が起きた時、一部のマニアを相手に人情噺をやってる噺家は真っ先に死んで、こういう泥々臭い外来種タイプの芸人が生き残るのである。そう言う私もえげつなすぎて100%好きになれないけれど、汚れに中に光る尊さを感じてしまった。
それはさておき「地方の白鳥」といえば、仙台に戻った白鳥百合子ちゃんは元気でやってるかな。あと女盛りゲザデレタはどうしたかな。お願いだから二度と姿を見せないでほしいな。