Bコース・ハブ単独ライブ「ボヨヨン祭りばっこ〜ん!」(シアターD)

12月の中旬。この時期にさしかかると、お笑いファンのテンションはいよいよおかしなことになり始める。なぜかといえば年末に一大イベントが待っているからだ。そのイベントとはーーそう、『RGvsハブ』である。アングラ芸人シーンで「奇跡」「天才」と称される二人が死力のかぎりを尽くして笑いを創りだし、結果、何も残らないあの壮絶なライブ。それを控えて、今、RGの充実が目に余っている。
先々週のTBSラジオ『ケンドーコバヤシのテメオコ』に招かれたのか勝手に土足で上がりこんだのか、判然としないがとにかくゲストとして登場したRGは数々のあるあるソングを大公開。これがもう本当にすごかった。安室奈美恵Chase the Chance』にのせた不況あるあるを皮切りに、イエローモンキー『JAM』にのせたプロレスあるある、バービーボーイズ瞳をとじておいでよ』にのせた手羽あるある(大傑作!)、CHAGE&飛鳥『モーニングムーン』にのせたパソコンあるある、そして後半戦がまたすさまじくて、マイケル・ジャクソン『BAD』にのせた洋楽あるある、ラモーンズ『電撃バップ』にのせたラモーンズあるある、GUNS N' ROSES『Welcame To The Jungle』にのせたGUNSあるあるなど、その鬼気迫る快進撃にケンコバが何度も爆笑し、「あるある史上最高傑作や!」「・・・おまえ腕上げたな」「これ、『エンタの神様』出演もあるかもしれん」「いまさの攻撃的なギターとエンリケの不動のベースが見えたぞ」と絶賛を惜しまなかった。興奮した私も音源を知り合いに送りつけ、久しぶりにギターを引っ張り出して『JAM』のコードでプロレスあるあるを弾き語ってしまったほどだ。それほど面白い放送だったのに1時間の番組で30分も時間を費やしたものだから、ハガキコーナーを心待ちにしていた投稿戦士たちが激怒。結果、RGのブログのコメント欄が、炎上にはほど遠いけれど粘着質な悪口でフランベ程度に燃えるアクシデントが発生するなど、何から何まで面白いことになっていた。
さてそんな絶好調のRGを迎え撃つBコース・ハブの調子はどうなのか? それを確かめるべく、シアターDへ。オープニングは、ストッキングをかぶって全身はブリーフ一枚だけといういつもの正装による、正義のヒーローコント「椎茸尻挟みマン」。街に転がっているサッカーボールの8割は、実は悪が仕込んだ時限爆弾で、その起爆装置を解除するためには尻に椎茸を挟みながらサッカーボールを10回リフティングしなければならない。さらにエイナルに挟んだ椎茸は魔よけ的な機能もあり、椎茸を落としてる間は心身がポコチン大魔法に乗っ取られるのだった・・・。
今の時刻、朝9時30分。35歳の人間が朝から一体何を書いてるんでしょうか? 10年前にサラリーマンだった頃は、私も週報に目を通して売り上げ予測を上司に提出していましたよ。という郷愁はさておき、振り向くとエイナル直径10センチのぐるりがキレイに切り取られていて、そこに椎茸を装着するハブ。しかしあろうことかリフティングしても椎茸はなかなか落ちず、再び正面を向いてブリーフを引っ張り調整していると、生FUGURIの稜線が見事なぐらいはっきりとこぼれ出ていた。今の時刻、朝9時35分。プロのライターがこんな一円の銭にもならない文を何でこんなに頑張って書いてるんでしょうか?
さてその後のコントも逐一報告する気が起こらないほどくだらないもので、ハブが好調を維持していることは確認できた。両者ともコンディション抜群で突入する年末の『RGvsハブ』、もう私は期待しか感じていない。といってもイベントは秋口に行われた対決の上映会だから、この時期のコンディションなんて関係ないんだけどな!