第三回 亀戸で!生喬まるかじりの会(亀戸文化センター六階和室)

上方落語軍団「ラクゴリラ」が半年に一度東京で興行を催す前夜、メンバーの笑福亭生喬がこれついでにとばかりねじこんでくる、ロックフェス前夜祭のような落語会へ。演目は「花色木綿」「くっしゃみ講釈」「三人兄弟」。兄弟が親の目を盗んで色街に遊びに出かける「三人兄弟」という落語は、笑いどころが多いわけでもなく、人情噺でもなく、途中、末弟が妄想を繰り広げるくだりが冗長で、最後に親父が述べる教訓めいた言葉も心に染みない、けれど不思議と忘れがたい珍品だった。この演目をかける上方落語家も非常に少ないらしい。はたしてもう一度目にする機会はあるのだろうか。街で尾崎三兄弟と遭遇する可能性と大して変わらない気がする。