昔の名前で出ています(シアターブラッツ)

私は「グループを解散して今は各々活躍している芸人が、舞台で昔のネタを軽くさらう瞬間」にゾクゾクするという健やかな性嗜好を持っているため、「昔のコンビや昔の芸名時代のネタの話をします」と銘打たれたライブへ。しかし会場に入って女子がのっぴきならないレベルで客席を埋め尽くしているのを見た瞬間、世界一場違いな空間にやってきたことに気づき、石ころぼうしをかぶって震えながら時が過ぎるのを待つ。
そんなライブは出演芸人が多すぎるため、客席の前3列に芸人が着席し、マニアックなネタには前方の芸人席だけ爆発的に盛り上がるという、逆『オールザッツ漫才』のような事態に。パンサー・菅と畑中しんじろうによる伝説のコンビ・ハイアンドローは、パンサー・尾形のやっかみを牽制しながらなぜか新ネタを披露していて、ポップな見た目に後味を引くネタとも、とにかく売れる匂いしかしなかった。そしてそれより私を驚かせたのがトンファー・山西と井下好井・好井がNSC時代に組んでいたというミセスマルタン。二人が関西出身という事実を差し引いても、東京の養成所育ちであんなにbase芸人然としたコンビを見たことがない。あのネタ運び、こなれたツッコミ、本当は今でもtryワラbを中心に活動してるコンビじゃないのか。そのネタに対し「380バトルだな!」と客席から審判をくだすスリムクラブ・真栄田の肩越しに二人を見ながら、自分はやっぱり『オールザッツ』のスタジオにいるんじゃないかと錯覚した。そろそろ後藤秀樹出てこないかな。