D関無双(京橋花月)

いよいよ大阪に逆上陸した大喜利イベント・D関無双は「若手の新しい力を発掘する」名目のもと立ち上がり、始まってみればクロスバー直撃も藤崎マーケットも改めてデキる人材であることを確認するが、やはりこのイベントの醍醐味は東京同様、大喜利でスベりまくるもそれでも前に出るツワモノの観察にある。今回、私の目に止まったのはネタも見たことなければ情報も一切ないツートライブ・周平魂。そのかぶいた芸名と大泉洋に似た華やかさから「こいつ、やるな・・・」の直感を抱いた私は、舞台に向かって「本気出しちまえよ」と誰の目にも入らないシュートサインを解禁。すると自爆やら何やらで瞬く間に2ポイントを失い退場寸前まで追い込まれると、以降は心折れた様子でだんまりを決め込み、最後は確か再度の自爆回答で姿を消していった。その他、回答はふるわなかったが声は出ていたダブルアートの二人、持ちギャグ「グイグイ!」の声が出ていた阿修羅・大脇、声は出ていないけれど狂人の雰囲気を静かに放っていたコマンダンテ・石井などを見ていると、このイベントは若手を抜擢するためではなくて、危険分子をフィルタリングするため機能してる気がしてくる。なおシャンプーハット・小出水は『ダイナマイト関西』の世界観にのっかることなく、いつものシャンプーハット小出水直樹のまま面白かった。
イベント終了後、劇場のフロアに出ると、千鳥の二人が同会場で行われる10周年記念イベントのチケットを手売りしていた。今日も空席があったし、あの千鳥でも京橋花月のキャパが埋まらないのか。baseよしもとから離れたアジアンもとろサーモンも最近東京へ向かった。先週訪れた時の、あの閑散とした客席。京橋花月は芸人を鍛える劇場というより、中堅を東京に押し出す装置である。