笑い飯・千鳥の大喜利ライブ(ルミネtheよしもと)

出演だけでなく観覧の芸人も多い「ハブのタンドク」は、いよいよ会場1/4のスペースが芸人シートに加工されていた。入場するなり、若手芸人が三等客船の三等客室のようにゴロゴロしているので、「あれ? 今日、平田オリザの芝居を見に来たんだっけ?」と勘違いしてしまう。
さて幕が切って落とされると、出演者が入れかわり立ちかわり入場する例のオープニングで、この日はゲストになんとKREVAカイジ、「龍虎の拳」のロバート・ガルシア、下北沢でマンガを読んでる東方力丸(こりゃめでてーな・伊藤)、台湾のスーザン・ボイル、小野正利(セブンbyセブン・玉城)、「伝染るんです」のカワウソ、楽屋入りするダイノジ・大地、原宿でショッピングするコンマニセンチ・竹永(RG)、矢島金太郎、前回に引き続きWANDSの上杉、「空を見なよ」を絶唱するつんく(ハンマミーヤ・一木)、女性器、ケツアゴ(ハブ)、古田、前田、田淵(DH億)などが続々登場する。「今日のライブは全部で2時間ぐらいかな?」とふんでいたところ、オープニングだけで見事1時間越えを達成。最初あらゆるキャラをハイテンションで歓待していた芸人席も、最後は明らかにぐったりしていた。
そしてその後は各芸人の単独ライブに突入し、その破天荒なルックスからは想像もつかないほどフリとオチがはっきりしたフリップ芸に「ちゃんとしてるじゃねーか!」の声が芸人から漏れたキャプテン☆ザコの単独を経て、こりゃめでてーな・伊藤の単独へ。KREVAの「アグレッシ部」、氷室京介の「IMAGE DOWN」、クレイジーケンバンドの「タイガー&ドラゴン」、堀内孝雄桂銀淑の「WON`T BE LONG」のモノマネが、どれも上手くて似ていてさらには面白く仕上がっていた。おそろしい男だ。ふと芸人席に目をやると、いつの間にか前方に座り込んだRGが食い入るように伊藤の芸を見つめていた。
さてこの後イベントがどのような狂気の乱高下を繰り返し、最後どのように現代の無間地獄「ハブタンサンバ」になだれこんだか、その有様を報告するのが私の務めなのだが、手元にもうひとつのチケットがあったため、ライブの序盤で中座してしまった。よろよろになってたどりついたルミネ。「笑い飯・千鳥の大喜利ライブ」は本当に面白い、新鮮でボリュームもある刺身定食のようなライブだったけれど、その前にブルーチーズをどんぶり3杯分食わされたので、もう味がよく分からなかったのである。
風の便りによれば、私が去った劇場では芸人を引退した元・サブミッションズ前田ししょうが「ハブタンサンバ」に参加していたらしい。畜生! なんて伝説を見逃したんだ俺は! 前田ししょうといえば今ウェブ検索すると、怪しい合コン必勝テクニックのDVDをネット販売している情報が真っ先に出てくる男。「驚愕のテクニックでモデル級美女をお持ち帰りしてみませんか?」というゲスい謳い文句と「このページは12時間後に消滅します。今すぐに、この先を読み進めてください」という小学生でもつかないあからさまなウソに心底シビれる。もはやブルーチーズどころではなくて、腐って一周して透明になった牛乳。気を失うのを承知で味わいたい。