東京吉本若手漫才協会〜第1回・時事ネタ〜(シアターモリエール)

東京吉本若手漫才協会とは、私の勝手な想像によれば、M-1終了後、気がつけば必要以上に漫才のレベルが上がってしまった若手芸人たちのエネルギーをかき集めて、あわよくば金に変換させようと目論むロシアンモンキー中須が設立した協会のこと。その初ネタライブは時事ネタ縛りで、出てきた十数組のコンビがのきなみ爆笑をかっさらっていく充実の内容に。K-POPをテーマに持ってきたトレンディエンジェルの斉藤はKARAの話題で「から揚げ?」とボケてみたり、少女時代の話題で井上陽水の「少年時代」をフルコーラス歌いきるなど、みんなが仕事としてふざける中でただ一人純粋にふざけていた。相方のたかしが「斉藤さん、NSCで何習ったの?」と注意するのも頷ける話だ。
さて客がほぼ笑いっぱなしで2時間が過ぎ、トリには協会の会長・副会長を務める芸歴10年の大御所コンビ・ロシアンモンキーが堂々登場。もはやNGKの師匠すら髣髴させる風格に「どれだけたっぷりした漫才でどれだけ笑わせてくれるのだろう?」と客の期待が高まる中、中須が肝心な部分を飛ばしたネタは見事にかすり、早々と引き上げていった。客席の当惑を肌で感じながら、私は社団法人漫才協会の会長・青空球児好児師匠ではなく、名誉会長の内海桂子師匠のことを思い浮かべていた。