TKOゴールデン劇場2011(新宿角座)

劇場に足を運んではスベリを目撃して満腹になる悪食が身についたため、「どうせ面白いんでしょ?」という本末転倒な理由で行く機会を逸していたTKOの単独。しかし1年前に生で見たディナーショーのコントで超絶に笑ったこと、あの松竹があの新宿にあの角座を立ち上げた杮落とし公演ということで、いよいよ劇場に足を運んでみる。
そんなライブは木下が出てくるだけで面白い空気をムンムンに発散していて、それを木本が長けた技量で処理、という展開は十分予想していたが、新設の劇場が階下を韓国料理店、階上を焼肉店に挟まれてまさかの「焼肉臭い」という事態だけは全くの想定外。しかしTKOはそのユッケなみに苦肉の状況で「劇場が焼肉臭いとクレームをつけにきた客」のネタを一本作りあげ、さらにその後半、木本がクレーマーを諭す設定で「松竹芸人がいかに自前の劇場を待ち焦がれていたか」を切々と独白。往年の『マッスル』のように、現実のトラブルを感動的な作品に昇華させていた。
そこで私の胸を打ったのは、大阪時代、劇場を持たない松竹の若手が公園で自主ライブを開き、その熱意が劇場設立へつながっていた物語、ではなく、新宿角座の物販コーナーで海原はるか・かなた師匠グッズ(湯呑み・手ぬぐい・千社札)が40周年を記念して4000円で販売しているという情報である。収納王子コジマジックTシャツ、みちゃこTシャツも鋭意発売中。